週末は京都でAmbient KyotoのインスターレーションとRyoji Ikeda “Ultrasonics”(ライブ)に行き、大変良い刺激を受けたので記憶が鮮明なうちににつづります。
Ambient Kyoto
京都で2ヶ所で開催されている本展示、私は京都駅近くの旧厚生センターから回りました。
こちらの展示では山本精一さんの楽曲と仙石彬人のヴィジュアルによる作品が刺さりました。
抑制的なビートと抽象音によるドローンがシームレスに移り変わっていく展開。所々で遠くから響いてくるキックで思わず体が揺らされたのは私だけではありませんでした。映像も音と同期、共鳴しつつ自然界のように予測不能な要素が散りばめられており、素晴らしかったです。特に最初の波紋の演出。中心を敢えて画面に入れず広がりを見せる波紋の断片のみを見せるニクい演出でした。
そして坂本龍一さんと高谷史郎さんによるasync-immersion 2023。凄かった。
京都新聞ビル地下の旧印刷所という時間と歴史を感じさせる広大な空間に、長大なスクリーンが設置されていました。この空間を体験するだけでも来る価値がある。
asyncが響く空間でスクリーンには波濤や岩や高山の花(おそらく)などの映像や写真が投影されていきます。それらの映像は物体が高速で動く時に見える線(伝わるでしょうか?)から生じ、また線となって端から消えていく。静止画や動画とその線の対比が普遍性と変化、時の流れを表現しているように感じられました。とても抑制的な表現なのに鮮烈です。
asyncのもつ力とこの場所が感じさせる時間の流れも相まって異空間を体験できました。
Ryoji Ikeda “Ultrasonics”
ロームシアターで開催された本ライブ。痺れました。精神だけでなく身体的にも。
これまでクラブで重低音で腹の底が揺さぶられる感覚は何度も味わったことがありました。しかしこのライブではキックで腹が揺さぶられるのと同時にベースで足裏から体幹がしびれさせられました。なんでそんなことが起こるんだろう。スピーカーの設置場所?周波数コントロールの妙でしょうか。
幾何学的な映像と同期する音、振動で痺れる体、まさに異次元空間でした。間違いなく記憶に残るライブ。
音と映像について
細々とyoutubeに動画を上げ始めてから必然的に音と映像の関係性について考えるようになりました。今回特にasync-immersion 2023を観れたことはとても良かった。私はこれまで「画をつけるならば情報量的に静止画よりも動画だろう」と考えていましたが、この作品を見て考えを改められました。
我々が音とともに画を見る時、動画か静止画かが問題なのではなく、そこに込められた情報量に惹きつけられるのではないかと。そしてそれは視覚的な情報量(ピクセル数やフレームレート、画面の大きさ)によるものでも良いが、シンプルな構図や線画などの視覚的な情報が少ない画でもそこに何らかの背景やストーリーが感じられれば情報量が多いと言えそうです。
あれだけいろんな要素を削ぎ落とした音と映像でいつまでも浸っていたい空間が作れるなんてと感動しました。
Ambient Kyoto 2023は12月24日まで開催しているようです。京都に行かれた際は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。