今回はOctatrackを使い始めたときにもっと早くやっておけばよかった、と振り返って思うことを述べてみます。
テンプレートを作る
まずは1にも2にもこれからです。Octatrackはユーティリティ的な設定から各オーディオトラック、MIDIトラック、レコーディング時の挙動などなど非常に細かく設定することができます。ゆえに自分に合った設定を追求することができるのですが、新しいプロジェクトを立ち上げるたびに設定がまっさらになっているといちいち操作につまづくのです。
特に一つのプロジェクトでしばらく制作していた後、新規のプロジェクトを立ち上げたときには前のプロジェクトで何も考えずにできていた操作がうまくいかない、などのトラブルでいちいち悩む羽目になり、ストレスが溜まる、時間を取られるなどのデメリットを強く感じます。ただでさえ習得に時間がかかると言われている機材ですので、一度把握した機能でつまづくのを避けるため、できれば最初のうちからテンプレートとするプロジェクトを作っておくことをお勧めします。
テンプレートを作ったらそこには各トラックの情報が上書きされないようにすぐに別の名前をつけて保存し、以降はそのプロジェクトで作業します。そして気に入った設定を発見したらテンプレートプロジェクトを立ち上げ、改良を加えていきます。
このプロセスを繰り返していくことが最速でOctatrackを(ストレスなく)扱えるようになる方法ではないかと考えています。
Octatrackは他の機材とかなり柔軟に連携できるので、その連携時のMIDI設定やオーディオインのゲイン、各トラックのパラメータなどを組み合わせる機材ごとに別プロジェクトのテンプレートとして保存しておくと便利です。私はモジュラーやペダルエフェクター、MIDIキーボードを接続したときなどの設定をそれぞれ別々にテンプレートとして保存しています。
レコーディングの設定
個人的な経験談ですが、Octatrackの操作で最初一番戸惑うのはサンプリングではないでしょうか。私も上記の如くテンプレートを作って、考えずに使えるような設定を見つけるまでいちいちつまづくため、Octatrack本体でのサンプリングは行っていませんでした。
一番重要なのはレコーディングモードと通常モードの違いを認識することだと思います。
振り返ると私はこの違いが最初はよくわかっておらず、混乱していたように思います。(実際わかりにくいでしょう。どちらもトリガーを置いたときに全く同じ色で光っているのですから)
レコーディングモードとはFUNCTION+REC1, REC2, REC3で入るメニューが表示されている状態を指しています。
ここで各トラックレコーダーのINAB, INCD, SRC3, RLENを自分の用途に合わせて設定してテンプレート化しておくことが、レコーディング時に予期せぬ挙動を招かないために重要です(INAB, INCD, SRC3はサンプリング元を設定する項目です。RLENは録音時間の設定)。
Octatrackには手動でサンプリングを行う方法とレコーディングモードでトリガー(レコーダートリガー)を置くことで自動でサンプリングを行う方法があります。
私はいつも後者で行なっています。私はいつもRLENは64に設定し、ちょうど64ステップをサンプリングするようにしています。レコーダートリガーもワンショットトリガーを1ステップ目に置いておき(FUNCTION+TRIG)、サンプリングする時はレコーディングモードでYESを押せば自動でサンプリングが始まるようにしてあります。これによりほぼ何も考えずにレコーディングが感覚的に行えるようになりました。
ちなみにこの時ワンショットトリガーでなく通常のトリガーを置いてしまうとシーケンサーが1ステップ目に来るたびに録音の上書きが始まってしまうので、ワンショットを置いておくのが一番使いやすいと感じています。
他にも設定できるポイントは多々ありますが、上記のようにいちいち考えずに感覚的に使えるように細かな設定を詰めておき、テンプレートに組み込んでいくことがこのマシンと早く仲良くなり、制作に集中できるようになるコツだと思います。
この記事がこれからOctatrackを使い始める方の参考になれば幸いです。